レストランの農薬の落とし方、柑橘は中性洗剤、葉物は流水で洗う

レストランの農薬の落とし方、柑橘は中性洗剤、葉物は流水で洗う

柑橘類は中性洗剤をスポンジでしっかり泡立て表面を洗浄

19歳の調理師の男です。職業柄外国産フルーツを扱うことが多く、そこで行っていた方法についてお話します。

まずは先ほど話した「外国産フルーツ」系統についてです。フルーツと言っても多岐にわたりますが、その中で最も農薬が付着しているのは間違いなく柑橘類でしょう。これらは皮が分厚く、特有の柑橘オイル(食器洗剤に使われているオレンジオイルやレモンオイルといったたぐいのもの)とポストハーベスト(収穫後に散布する防カビ、防黴農薬)で使用される薬品が悪い意味で最高の相性をしています。化学面の知識がある方であればピンとくるかと思いますが、2つがそれぞれ溶質と溶媒として機能してしまうのです。

しかし、これらの農薬を落そうとさらに調理場で薬品を使用したのでは本末転倒です。そこで、主に利用されるのはスポンジに逆性石鹸を付けて1つづつ洗うという方法です。一般家庭の場合は中性洗剤でも構いません。しっかりと泡立ててから表面を洗浄することでポストハーベストによって噴霧された薬剤はほとんど残らずに落としきることが出来ます。この方法は皮の部分を利用する、または厚い皮におおわれた食品に最適です。

葉物野菜は最低3回は流水で洗う

次にこれ以外の葉物野菜についてです。
葉物やさいはただでさえ柔らかく傷がつきやすくなっています。先ほどのようにスポンジを使ってしまえばたちまち表面はぐちゃくちゃになり、食味やテクスチャー、外観、さらには栄養素の流失も誘発します。

この場合は大変ですが「流水で洗浄」を行います。飲食店や病院施設ではすべての食品を最低3回は流水で洗うことになっています。ここで注意してほしいのが決してボウルに水を貯めたりしないことです。水道代がもったいないとボウルに水を張ってその中で洗い、また流してまた水を張って…と作業する方がいますが、これでは十分な効果は発揮できません。

学生時代に書道をした経験はありますか?作業終わりに筆を洗う時に「バケツに汲んだ水でじゃぶじゃぶ洗いをする」のと「水道から出した水で洗う」の2つのパターンを経験した方は多いかと思います。その時バケツはどうなりましたか?文字通り真っ黒に染まったことでしょう。これも同じく「水を張って洗うのは農薬が溶けた水を何度も食材に染み込ませる」ようなものです。安全な食品を必要としているなら水道代を節約しようと思ってはいけません、実際に削っているのは自身の健康です。

他には表面をそぎ落とす方法があります。可食部も減りますが、農薬もろとも捨ててしまうので確実性が高まります。その後さらに3回の水洗いをすればより効果的です。

農薬が化学物質である以上、一般家庭でできることは限られています。しかしこの方法を徹底すれば最高級レストランと同じ安全性を持たせることが出来るといっても過言ではないでしょう。以上、食品衛生関連技術者としての体験談です。